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平成28年度

ネパールの大地震被災地における身体障がい者の避難生活支援の実態調査

研究代表者氏名 社会福祉学部 教授 斉藤くるみ
研究課題 ネパールの大地震被災地における身体障がい者の避難生活支援の実態調査
研究結果の概要  一昨年大震災にみまわれたネパールのカトマンズの障がい者の被害状況を調査した。カトマンズの障がい者の学校(特別支援学校)と施設、ろう学校を訪問し、インタビューを行った。地震発生時、多くの障害者・児は何が起きたかわからず、大変動揺したが、教師や施設の職員に助けられた様子がよくわかった。レンガ造り等、地震に弱い建物が多く、人々は屋外でテント暮らしを余儀なくされた。遅々として進まない復興の中で、街の中心のテントはトイレの設備がなく、不衛生でだんだん暮らすことができなくなったとのことであった。一般の人はテントも足りず、ビニールなどを集めて自分たちでテントを作ったり、食料もなく、また家族と連絡がとれなかった人も多かったが、特別支援学校や施設はむしろ教師や職員の力で状況はよかった。現在はテントは撤去されているが、今尚インフラは整備されず、寺院・学校・施設の建物は修復されていない。雨が降ったら使えないような窓のないたてものや、茣蓙敷の教室もあった。
 カトマンズ中央でさえ瓦礫はそのままで粉塵がひどく、マスクがなければとても歩けない。衛生状態は劣悪である。調査に向かった我々やボランティアで同行した学生たちも次々に体調を崩した。
 ろう学校は山奥にあり、まったく整備されていない道路をカトマンズ中央からバスで6時間かけて到着した。学校と寮は極めて貧しく、子供たちの栄養状態は悪く、トイレも整備されておらず不衛生であったが、子どもたちは連帯感を持ってろうコミュニティーを作っていることが実感できた。日本手話とネパール手話を教え合うと生き生きとしてきて笑顔が見られた。
 学校や施設はどこも寄付に頼っているようで、強く寄付を求めるし、外国人から寄付を獲得するためにはなりふりかまわない様子が感じられた。インフラの整備が進まない理由として、公費が次々賄賂として消えていくという実態がある。私立学校と公立学校を視察したが、格差は極めて大きく、貧富の差が大きいことは明らかであった。街には物乞いをする人々も多かった。
 施設や学校にいる人たちについては貧しいながらもある程度守られているが、隠れた弱者はどのように暮らしているのか見えにくい。
 公的な機関やソーシャルワーカーというものの存在は感じられず、一部の豊かな人たち以外はほとんどがコミュニティーの中の助け合いで生き延びてきた。カトマンズは出稼ぎや就学のために地方から来ている人が多く、彼らは戸籍のある場で支援を受けるべきという考え方が広まり、短期滞在者は差別されたという。カーストの名残もあり、人口の大半の貧困問題は深刻である。
研究成果の活用

・提供予定
 2017年日本社会事業大学社会福祉学会で一部を発表し、全容は紀要に報告する。また今後の学生のアジア研修や東日本大震災や熊本地震の被災地でのボランティアに活かす予定である。
研究成果物 平成28年度 日本社会事業大学社会事業研究所共同研究 「ネパールの大地震被災地における身体障がい者の避難生活支援の実態調査」 研究成果概要報告書
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