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平成25年度

超高齢団地における安心居住の支援方法に関する実践研究

研究代表者氏名 大学院特任教授 児玉桂子
研究課題 超高齢団地における安心居住の支援方法に関する実践研究
研究結果の概要 大都市における急激な高齢化を先取りするUR滝山団地において、安心居住の支援方法に関する実践研究をURとの連携協定に基づき、滝山団地自治会との緊密な協力のもと進めてきた。2年目の研究成果は以下の4点である。

1.UR滝山団地全住戸を対象とした安心居住へのニーズ調査
 URや団地自治会の協力を得て、全住戸(3100戸)を対象に住民の交流や孤独、困りごとなど「あんしんつながりの家」の運営に役立つ項目を中心に調査を2013年12月に実施して、1006件の回答を得た(回収率32.5%)。この調査は、回答者の75%が65歳以上の居住者がいる世帯であること、79.5%が単身および2人世帯であること、情報の少ない分譲居住者が57%を占めることが特徴である。ダイニングカフェたきやまを利用したことがある人は30%あり、単身や高齢者2人世帯で高い利用率であることが示され、開設の目的を果たしつつあることが確認できた。また、日常生活での不安として、単身高齢・2人高齢・3人高齢世帯では、認知症や介護、孤独死への心配が大きいことが示された。日常生活で大変なこととして、調査対象者全体で家計が30%、それに次いで階段昇降が26%上げられた。社会参加をするためには、上下階移動の保障は不可欠であり、ハード的な対応がさらに求められている。また、64歳以下の単身や2人世帯では団地内における社会的交流の希薄さが浮き彫りになり、こうした高齢予備軍へも目を向ける必要性がとらえられた。
 今回は基礎統計を中心にまとめたので今後分析を深めるとともに、これを材料に団地自治会等居住者やURの方々と意見交換を進めていきたい。(担当:児玉桂子・菱沼幹男・大島千帆・下垣光・佐藤唯)

2.あんしんつながりの家をフィールドとした実践研究
 あんしんつながりの家はダイニングカフェたきやまとこどもラウンジから構成され、自治会が中心となり月から金に昼食と喫茶、土曜は喫茶のみを提供している。菱沼ゼミおよび有志の学生が「学生グループたきゆう」を組織して、開設当初より毎土曜日にカフェでのボランティアを行い福祉実践に取り組んできた。この経験は、サブゼミ論文集に「高齢者の社会的孤立を防ぐためにーあんしんつながりの家と地域住民をつなぐー」としてまとめられている。内容は、団地内の賃貸住宅に居住する単身高齢者への調査やカフェの運営にあたる住民へのヒヤリングから構成され、カフェたきやまでの実践経験を踏まえた貴重な内容となっている。(担当:菱沼幹男・学生グループたきゆう・菱沼ゼミ学生)

3.デイサービスの支援効果を引き出す環境整備に関する実践研究
 団地内に整備が予定される生活支援施設としてデイサービスセンターがあげられる。初年度から、2か所のデイサービスセンターにおいて、職員による環境アセスメントや施設環境満足度調査を継続して実施してきた。2年間の研究を通じてデイサービスの支援効果を引き出すには以下のような環境整備の視点が重要であることが明らかになった。
①自宅からデイサービスへの送迎への配慮(6項目)
②デイサービスに到着後開始までの配慮(11項目)
③プログラム活動への参加(4項目)
④デイサービスでの過ごし方の選択(8項目)
⑤活動成果の作品を発表する場(4項目)
⑥リハビリテーションの利用(4項目)
⑦入浴サービスの利用(7項目)
⑧昼食と休憩をとる(8項目)
⑨帰宅の準備(4項目)
⑩地域社会との接点を大切にする(3項目)
(担当:鈴木みな子・児玉桂子)

4.報告書の作成
 団地自治会の協力で調査表の配布を無料でできた等の理由から経費の余裕ができ、当初の予定にはなかった以下の2部構成の報告書を作成することができた。第1部「滝山団地における大学・団地自治会・UR都市機構との連携」は、1年目の研究成果を深めた内容であり、少子高齢社会の暮らしの支援に関する取り組みおよび安心・安全の環境づくりに関する取り組み合計7テーマから構成される。第2部「UR滝山団地における暮らしに関する全住戸調査」は前述した内容である。(担当:児玉桂子・菱沼幹男・北場勉・後藤隆・大島千帆・下垣光・廣瀬圭子・鈴木みなこ)
研究成果の活用
・提供予定
①滝山団地自治会・団地居住者・URとの公開研究会の開催
 今年度の研究成果に基づく研究会の開催と自治会ニュースを通じた成果の公表を予定している。こうした機会により、居住者等の新たな知識の獲得や意識の変容に寄与することが期待できる。次年度の介護プロジェクトによる研究継続につながる重要な機会となる。
②国土交通省やURへの研究成果の提供
 国やURは住み続けることのできる団地(Aging in Danchi)を政策課題にしているので、滝山団地を直接担当する東日本支社のみでなく、本社やそれを統括する国土交通省住宅局等も福祉の大学が取り組んだ研究成果への関心は高い。児玉が国土交通省UR委員会の委員を務めているので、そうした機会も通して普及に努める。
③学会等での発表
 日本社会福祉学会や学内学会等で研究発表を行う。大学紀要やその他学会誌に執筆する。
④学部・大学院教育への活用
 学部の地域福祉論、福祉環境論、専門演習等、大学院の地域福祉研究等を通じて、居住環境と福祉の連携の重要性に関する教材として取り上げる。大学院博士後期課程の研究テーマとして取り上げる院生もおり、UR滝山団地プロジェクトは教育にも寄与している。
研究成果物 平成25年度共同研究報告書 超高齢団地における安心居住の支援方法に関する実践研究

児童福祉施設における援助者支援に関する研究

研究代表者氏名 社会福祉学部 教授 藤岡孝志
研究課題 児童福祉施設における援助者支援に関する研究
研究結果の概要  本研究は、社会福祉施設における援助者支援、特にスーパービジョンの現状と課題を、児童養護施設を例として取り上げて調査し、他領域を含めたスーパービジョン研究の今後の展開を推進するものである。そのためのパイロット研究として本研究は位置づけられる。本研究は、以下の二つの方法によって構成された。

1、面接調査に基づく予備研究
アンケート調査とともに、児童養護施設におけるスーパービジョンのあり方について、グッドプラクティスを実施している施設職員及びスーパービジョンに関して長年関わってきた実践的研究者4名に対して面接調査を実施した。その結果、施設現場におけるスーパービジョンはいまだ十分には確立されていないが、喫緊の課題であるとの認識が現場の中にあること、そのためのスーパービジョン体制の整備が重要であるとの結果を得ることができた。
2、アンケート調査に基づく研究
関東圏内全域のすべての児童養護施設165施設の施設長またはそれに代わる方にアンケートを実施した。 抽出方法;全国の児童養護施設のうち、今回は、関東圏に絞って実施した。実施方法 郵送によって質問紙を送付し、回収した。その結果、児童養護施設38施設から回答を得た。回収率23%である。年度末の繁忙期の調査でもあり、回収率は20%台にとどまった。調査項目 今回の調査にあたって、新たにスーパービジョンに関するアンケート調査を作成した。その中では、スーパービジョン体制の実態と課題に関する調査だけでなく、共感疲労や援助者支援に関する項目も含められた。チェック式の項目9、自由記述式7項目、合計16項目で構成された。分析方法 得られた結果に基づいて、単純集計、及びクロス集計による解析を行った。 結果 スーパービジョンに関する認識は、施設によって大きな開きがあることが明らかになった。また、施設職員の疲弊に関しては、共通の認識があり、施設長や同僚によるスーパービジョンに合わせて、外部の専門家によるコンサルテーションやスーパービジョンに大きな期待があることも明らかになった。施設内で職員の養成をしつつ、現状の養育の質を保持するために、外部からのスーパーバイザーの持つ役割とともに、内部での常駐職員による継続したスーパービジョンが必要であるとの認識も示された。

考察 以上の1,2の結果から、スーパービジョンのあり方について、外部からのコンサルテーション、スーパービジョンとともに、内部での継続的なスーパービジョン体制が必要であることが示唆された。また、ソーシャルワーク・スーパ―ビジョンとケアワーク・スーパービジョンの概念的な整理が必要であることも課題として浮かび上がってきた。職員育成という名のもとに行われてきたことと、ここでいうスーパービジョンがどのように関連し、また、機能していくのかという重層的な問題の設定が必要であり、今後のスーパービジョン研究の課題も改めて示されたと考えられる。
研究成果の活用
・提供予定
 データの解析をさらに継続することで、スーパービジョンの課題を明らかにすることが今後必要となる。また、本研究の成果は、児童養護施設におけるスーパービジョンの実態に関する研究として、貴重な知見を提供しうるものと考えられる。研修などの折に、このデータを提示し、課題をさらに明確にすることが必要である。
 また、本研究がまとまった段階で、協力を得た施設(165か所)に報告書を郵送し、それぞれの施設からのご意見をうかがうことも、今後の研究として必要であると考えられる。
研究成果物 児童養護施設における援助者支援

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このページは研究調整事務室が担当しています



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