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平成26年度

知的障害教育福祉の文化を今後の福祉教育に繋ぐ―糸賀一雄生誕100年に向けて―

研究代表者氏名  社会福祉学部 准教授 蒲生俊宏
研究課題 知的障害教育福祉の文化を今後の福祉教育に繋ぐ―糸賀一雄生誕100年に向けて―
研究結果の概要  年度内に15回の研究調査を実施し、「一碧文庫」(旧糸賀邸史資料)1,110ファイルの確認、保存作業を完了した。
書簡については、作業の継続を予定している。
 池田太郎ならびに田村一二関係史資料については、作業を開始する段階に留まった。今後の継続を予定している。
 初期近江学園の保母による記録については、着手できなかった。
研究成果の活用・提供予定  研究成果については単独の報告書を作成し(平成27年3月)、学内の教員には配布済みである。
史資料を所有している社会福祉法人大木会には、平成27年度の早い時期に報告書を届け、「一碧文庫」の活用(公開・共同利用)に向けての検討を具体化してゆく予定である。
研究成果物 知的障害教育福祉の文化を今後の福祉教育に繋ぐ-糸賀一雄生誕100年に向けて-

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実習先施設機関との協働による実習支援フォーマットの作成に関する研究

研究代表者氏名 社会福祉学部 准教授 木村容子
研究課題 “相談援助実習におけるプログラム”の構築および運用方法と学生の学習効果に関する基礎的研究
研究結果の概要  本研究は、本学社会事業研究所福祉職支援開発ユニットと実習教育研究・研修センターとの協働により推進されている。昨年度まで実施されていた学内共同研究『実習先と構築する”相談援助実習におけるプログラム”の質の向上に関する研究』で明らかになった実習プログラムの実態を受け、より詳細に実習プログラムの構築および運用方法を精査するための調査である。昨年度の調査報告書において実習プログラム事例の掲載協力を得た実習指導職員を中心にインタビュー調査を行い、効果的な実習プログラムの要素や運用方法(スーパービジョンとの関連等)を学生の学習効果との関連で明らかにすることを目的とする。
 さらに今回は以下の着眼点を重視する。実習プログラムは個々の学生の要望や能力等により柔軟に運営するべきではないか。具体的には学生の実習計画を可能な範囲でプログラムに反映したり、設定したプログラムのねらいと実習での体験との関係を学生が理解できるようフィードバックしたり、学生の頑張り、悩みなどを受け止め支持するといった、学生への関わり方が大きくかかわることが想定される。このような仮説をもとに、以下の点を調査目的とする。
①実習プログラムを作成・運用するに当たり、学生の学習効果を高める工夫を明らかにする。
②特にプログラムのねらいを実現するための効果的なスーパービジョンのあり方に焦点を当てる。
上記の研究課題のもと、実習先の種別ごとに数回に分けてそれぞれ8名程度の実習指導者の参加協力を得てグループインタビューを実施した。本研究は来年度も継続することを前提に、本年度については①特別養護老人ホーム、②障害福祉サービス事業の調査を実施した。

総合的な分析・考察等の取りまとめについては来年度示す予定であるが、今年度までで得られた知見を以下に示す。

【特別養護老人ホームでの実習プログラムに関して】
 プログラムのねらい
ソーシャルワーク実践の実態が理解できるようにする(大学での学習と実態が結び付くように)〔B施設〕。
社福士としての心構えや、必要な視点の理解。〔E施設〕
利用者理解、実際の援助のあり方、アプローチを理解してもらう。〔A施設〕
生活相談員の業務が成り立っているのは、介護職や看護師など他の職種の働きのおかげであることを理解する。〔A施設〕
 プログラム上の具体的な工夫。
3段階実習。前半で他職種の専門性を学んでもらい、後半でそれらを結びつけるソーシャルワーク業務を学んでもらう。 〔B施設〕
実習計画書にある学びたい事柄に応じてプログラムを構成する。〔C施設〕
実践的な実習も取り入れる(例:行政に提出する書類の作成など)。〔A施設〕
個別支援計画作成実習において。
●学生でも使いやすいアセスメントシートを用意する。
〔A施設〕
●実習生が作成した計画に関してなるべく修正をしないで済むように、情報収集の段階から細かく確認、修正をする。
〔A施設〕
●プランを実際に実践してもらう。実際にやり遂げることができて成果が得られた場合、実習生にとっても喜ばしいことであることが分かった。〔C施設〕
●介護にとらわれない“理想のケアプラン”を作成するよう伝える。〔G施設〕
最近は特養に関する学習が不足している実習生が多く、さらには介護実習と違い期間が短くかつ複数回の実習ではないので利用者とのコミュニケーションによる戸惑いが強い。その場合個別支援計画の作成まで至らない。それゆえ実習の目標を「自分なりにこの施設を説明できるようにする」と設定することがある。利用者や家族、職員への理解が中心。〔D施設〕
社会に新たに提案するようなテーマについて、インタビューやアンケート調査をしたうえで結果をまとめてもらうこともある。〔C施設〕
設定したプログラムを臨機応変に変更することもある。各職場から実習生に対して声がかかることがあるので(例:「今日は権利擁護に関する業務があるよ」)、学生の希望に応じて変更する。〔A施設〕
同法人内の地域包括支援センターやデイサービスなどでの実習をプログラムに組み入れる施設〔A・C施設〕もあれば、逆にあえてそれをせず1か所でじっくり学んでもらおうとする施設〔B施設〕もある。
短期間の他事業所での実習では、単なる体験にならないように面談を通してつながりを理解してもらうようにしている。
〔C施設〕
実習生が自分でプログラムを作成する意識で臨むように伝えている。そのためにも自分の希望を積極的に発言させている。〔G施設〕
 実習受け入れに関する法人全体の協力体制の構築が重要。その促進要因。
●会議等における実習受け入れに関する細やかな情報共有。 〔A施設〕
●実習生からの意見(ポジティブ・ネガティブ関わらず)の各現場へのフィードバック。〔A施設〕
●実習プログラムの調整、特に実習生の受け入れ分担やスケジュールについて、パソコン上で各職場とやり取りしている。〔A施設〕
 相談業務実習の難しさ。
トラブルなど実習生には見せられない場合もあり、なおかつその対応に追われ実習生まで手が回らないことがある。
〔A施設〕
電話応対をそばで見てもらう。後ほど職員間の役割についてなど説明をするようにしている。〔A施設〕
 プログラムに入れにくい要素
「権利擁護・エンパワメント・評価」〔A・B・C施設〕
「地域社会でのニーズキャッチ、社会資源の理解」の項目は、指導者自身の理解不足もあり取り入れにくい。〔A・B施設〕
「経営・サービス管理運営」〔C施設〕
 養成校(大学)との連携
巡回指導の際に、実習指導に関わった他職種のスタッフも同席してもらい共有する。なお、普段から様々な職種のスタッフから実習生に対してコメントをもらうようにしている。    〔A施設〕
 実習生へのSVの工夫
実習生と同じ出身校のOB・OGに関わってもらい、フランクな質問を出しやすくしている。〔A施設〕
実習指導者だけでなく様々なスタッフがフィードバックするようにしている。〔A施設〕
実習終了時に実習生の写真とスタッフからの寄せ書きのあるカードを実習生に渡して、労をねぎらっている。〔A施設〕
実習前半の最後に前半を振り返り、不足している部分を後半に反映する。〔B施設〕
入所施設の意義、社会的な背景について、自宅での生活が難しくなるケースの実態や背景を共に考え、今でも入所施設のニーズがあることや地域社会の中での入所施設の役割、つながりを理解してもらうように伝えている。〔C施設〕
実習を終えた実習生が「この仕事は大変そうだ』だけで終わらないように、社会福祉士の仕事の魅力を伝えるようにしている。〔C施設〕
日々実習目標が行動予定にならないように、身につけたい考え方やスキル、姿勢などを設定するようにしているがなかなか難しい。〔D施設〕
ただ教科書に書いてあることと実態の比較をするのではなく、利用者とのかかわり等において自分の考えはどうであったのか、どう感情が動いたのかといった自己覚知を大切にするよう指導している。〔D施設〕
自己覚知に結びつくように、実習生には「なんで」と問いかけ続けてもらうように問いかけをしている。本当に自分が思ったのか、それとも単なる教科書等からの受け売りなのかがわかる。〔C施設〕
特養の社会福祉士のやっていることを一つ一つ教えていってあげて、実はそれに対応する形でソーシャルワーク実践であることを結びつけて教えてあげると、理解につながることがある。〔B施設〕
利用者とのコミュニケーションが、その後のどのようにつながっていくのか、なぜコミュニケーションをとるのか考えてもらい、説明をする。〔E施設〕
コミュニケーションに関する振り返りについては、バイステックの7原則、エンパワメント、ストレングスといった視点を用いている。〔F施設〕
職員では難しい、実習生ゆえに発見できる点もあるのでその旨を伝えて励ます。例えば、利用者のストレングスなど。〔F施設〕
 SVの回数、やり方
まとまった時間はなかなか取れないが、フロアで誰にでも質問はしてもらっていいようにしている。その結果をその場で共有して、必要に応じてSVをする。〔C施設〕
1週間に1度、実習記録を見ながら振り返りをする。1~2時間程度。〔D施設〕
毎日13時~16時半。ほぼ実習指導者が担当するが、一部ケアマネなどの他職種や経営スタッフが担当することもある。毎日SVをやる中で利用者理解の視点等を指導していくと、後半に実践できるようになる傾向がSVの効果として見られる。  〔B施設〕

【障害福祉サービス事業での実習プログラムに関して】
 プログラムのねらい
利用者とのかかわりから何を学んだのか、SVを通して気づきを得られるようにする。特に利用者の内面的なニーズに気付けるように指導している。〔I施設〕
利用者の生活のしづらさ、生きづらさなどを共感しつつ、障害の特性について理解を深める。〔I施設〕
利用者が何に困っているか、何をしたいのかという疑問を少しずつ理解していくことが支援員としての面白さであり、それを追体験してもらう。そのために個別支援計画の作成をしてSVをする。〔I施設〕
一人の対象者にたくさんの事業所が関わっていることを理解できるよう、法人内の相談支援事業所やグループホームなどにもいってもらう。〔I施設〕
実習前にはぼんやりしている施設や利用者のイメージ、なぜこのような施設に通うのかといった意義などが、実習を通してより明確になり、この仕事に興味を持ってもらう。〔M施設〕
 プログラム上の具体的な工夫。
実習中のSVについては様々な職員が関わるため、実習指導の標準化のために法人内で実習プログラミングシートを作成・共有している。〔I施設〕
時には利用者が実習を育ててくれると考えられるケースもある。〔I施設〕
実習生の理解には段階がある。最初は利用者に関する気づきの深まり。次に職員の行動に疑問を持ち始める。これはアセスメントの入り口となる気付き。ポジティブなフィードバックをしつつ、職員の行動の意図や様々な人の解釈があることを確認していく。そのころから実習生が気になる利用者に関するアセスメント情報を見せるようにしている。〔I施設〕
「経営。サービス管理運営」のことについてはサービス管理責任者に講義をお願いしている。「地域社会でのニーズキャッチ、社会資源の理解」については、資源を知っているだけでは支援はできないので伝えるのが難しい。相談支援事業所のスタッフ等に話してもらうこともある。〔I施設〕
実習プログラミングシートがある。それと日々の日程票をリンクさせて、実習指導者がプログラムの進行状況をチェックできるようにしている。さらにプログラムに沿ったに日々の目的を学生とも共有して、日々のSVではその狙いに照らして考察させる。〔L施設〕
利用者の生活背景や地域での生活を知ってもらうために、スポット的にグループホームまで同行したり、カンファレンスに参加してもらったりしている。家族状況も含め困難を抱える利用者にスポットを当て上記のような実習を組み込むことがある。〔I施設〕
学生の興味、関心に合わせた実習を経験させる。例えば特別支援学校の教員を目指している学生に、とある学校との会合に出席させたところ、そこの生徒がいずれこのような施設に通うというイメージがしっかりできて、より考察が深まった学生もいた。〔I施設〕
 実習生へのSVの工夫
利用者と接する際には、支援者の立場として利用者をどう見るか、どう接するか考えることが重要。ただ漫然と接するだけにならないように、毎日の目的を必ず伝えるようにしている。〔I施設〕
職員会議で振り返りをするが、おそらく遠慮してしまって思うように質問できていないと思われる場合がある。その時には会議の後マンツーマンで実習生の思いを引き出す機会を設けている。23日間の実習中概ね10日間ほどそのような対応をしている。〔K施設〕
現場での実習生をなるべく見るようにして、実習生の行動に関してその理由、ねらいや考えたことをこちらから聞くようにしている。実習記録を見て同じように実習生の考えを引き出すようにもしている。複雑な思考を解きほぐしてあげることで学生の思考をより発展できるようにしている。〔K・L施設〕
プログラミングシートを反映した日程表に合わせて、毎日の学生の目標を決めたうえで、その目標を意識して振り返りをしている。〔L施設〕
 SVの回数、やり方
できれば毎日。実際には週3回程度。事前に質問をまとめてもらうようにしている。〔I施設〕
 実習生を受け入れるメリット
実習指導者としては実習生に日々の業務を伝えることを通して自分自身の整理にもつながっている。職員のスキルアップにつながる。〔I施設〕
現場では学問的な見方と疎遠になりがちだが、実習生とのやり取りの中で見直すことができる。〔J施設〕
 実習受け入れに関する法人全体の協力体制について。
実習指導の標準化。プログラミングシートの全体での活用。〔I施設〕
生活介護事業、就労継続B型、それぞれで実習生を受け入れているが、指導者は2名ずつ、計4名配置するようにしている。その中でなるべく情報を共有してSVに生かしている。〔K施設〕
 プログラムに入れにくい要素
「ア)基本的コミュニケーションと人間関係形成」、「イ)利用者ニーズ理解・支援計画」、「ウ)利用者・家族等との援助関係形成」に関する実習が中心。「カ)職業倫理、役割、責任」「キ)経営、サービス管理運営」「ク)地域社会でのニーズキャッチ、社会資源の理解」は実習に反映させるのが難しい。〔K施設〕
180時間で厚労省のガイドラインの要素をすべて入れ込むのはそもそも難しい。施設での実習だから学びやすいこと、具体的には利用者とのかかわりからの学びを大事にしている。
個別支援計画を立ててもらっても、モニタリングまでは難しい。プランを実行に移してみた結果に関してSVで評価、振り返りはしているが、さらに別のプランを検討するところまでは至らない。代わりに職員が作成したプランを事例として伝えている。〔I施設〕
 養成校(大学)との連携
事前学習においては、なぜ実習に行くのかという目的意識、実習でどういうことを学ぶのかという問題意識を持てるように指導してほしい。〔L施設〕
以上
研究成果の活用・提供予定  引き続き来年度調査を進め、来年度に研究報告書を作成し、約200カ所ある実習先や学内関係者、研究協力者と共有する。効果的な実習プログラムのモデルを構築することにより、実際の社会福祉士実習教育に反映していくことを目指す。
研究成果物 “相談援助実習におけるプログラム”の構築および運用方法と学生の学習効果に関する基礎的研究
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このページは研究調整事務が担当しています



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