教員 × 院生対談
若者のメンタルヘルスの課題に取り組む社会福祉の研究的実践者を目指す
大野:私は大学入学時から若者のメンタルヘルスに関心があり、学部時代に精神保健福祉を学ぶなかで、より探究心が強くなりました。日常生活では問題が表面化していないものの、内面では不安や孤独を抱えている若者はたくさんいます。若い時期の息苦しさが適切に支えられないことは、その後の成人期のメンタルヘルスやウェルビーイングに影響を与えるのではないかと考え、「若者のメンタルヘルス」をテーマに研究を進めています。
贄川:大野さんの問題意識は、若者が困難を経験しながらも「これでいいのだ」と本人が思える環境が必要ではないかという議論にもつながりますので、社会福祉における重要なテーマですね。そのような問題意識をもって入学した大学院で、大野さんはいろいろな経験をし、研究に必要な力を身につけてきましたね。
大野:研究に取り組む過程で、先生方からアドバイスをいただいたり、他の院生の意見を聞いたりしながら、今ある制度・支援にはどのような効果があるのか、といったことなどを研究的な視点で考える力や、論文を批判的に読む力が身についてきたように思います。贄川先生には、ゼミや個別指導の時間以外にも、普段から研究に関する些細な悩みや疑問点を相談しています。方向性について迷ったときでも、先生との対話を通じて思考を深められることが、研究を進める上で大きな支えになっています。
贄川:大学院は院生とのコミュニケーションがとくに重要であると考えており、些細な相談などのちょっとした対話の時間も大事にしています。そのなかで、私が研究指導で強調している力が身についてきたと思えるようになるまで、大野さんは努力してきましたね。では、そんな大野さんの今後の目標を教えてください。
大野:今後は、まずはこれまで悩みながら進めてきた研究を形にしたいです。卒業後は、大学院で学んだことを生かして若者支援の現場で働きたいと考えています。答えがすぐに見つからないものに対して、その「わからなさ」に意味があると信じて問い続けていくことができる、研究的実践者を目指します。
贄川 信幸教授(左)×大野 茉由さん(右)
※インタビュー内容は取材当時のものです。