教員 × 院生対談

学生と教員が学び合う場で、実体験から現場の「孤立」を解き明かす研究に取り組む

保坂:現在、児童養護施設などの社会的養護の現場で、職員が孤立せずに子どもと向き合える「対話の構造」について研究しています。小規模化や家庭的養育への移行が進む一方で、現場は閉じられた環境になりやすく、職員が一人で悩みを抱え込んでしまう状況があります。こうした状況を実践において経験するなかで、支援の困難さが個人の能力や経験の問題に還元されがちな現状に違和感を抱くようになりました。そうした問題意識を踏まえ、職員が安心して語り合い、日々の業務を振り返ることができる場の構造を探究しています。

有村:まさに実践に根ざした研究ですね。私自身、保坂さんの研究から学ぶべきことが多くあります。先日も研修を一緒に考え、プログラムを組み立てましたね。ゼミ生とはともに学ぶ間柄でありたいと思っています。そのうえで、教員が与えた課題をこなすのではなく、自分自身が解決したい「問い」を見出し、追究する姿勢を大切にしてほしいですね。

保坂:有村ゼミは非常にオープンで、先生はもちろん多分野の先輩方からも、自分では気づけない視点でアドバイスをいただけています。そうした日々の学びを糧にしながら、現場と研究機関をつなぐ研究者を目指していきたいと思います。

有村:福祉の研究は人と向き合う営みですから、研究や実践も含めて、築いた人脈が大きな財産になります。10年後、20年後にどのような人間に成長し、社会にどう貢献したいのか。「悩むことができる自由」を楽しみながら、広い視野で自分のあり方を模索してほしいです。保坂さんのこれからに期待しています。

対談

有村 大士 教授(左)×保坂 沙弥 さん(右)

※インタビュー内容は取材当時のものです。