SOCIAL WORKER REAL
大学時代で経験した多様な実習が、
最適な支援の提案につながる。
佐川 果桜那 さん
社会福祉法人 台東区社会福祉協議会
生活支援係兼計画担当
主任
2019年 社会福祉学部 福祉援助学科 卒業
- 取得している資格
社会福祉士、介護福祉士、社会福祉主事
直面する課題が同じでも。背景にある事情は十人十色。
大学3年時に今の職場である台東区社会福祉協議会で社会福祉士の実習を行いました。その際に、職員の方々の熱意や地域住民とのつながりを間近で感じ、「ここで働きたい」と強く思い、今に至ります。生活支援係に所属する私は、低所得者や高齢者、障がいをもつ方などに金銭の貸し付けと相談支援を実施しています。相談者が直面しているさまざまな問題に対し、その話をじっくりと聞き、生活に必要な金銭を貸したりよりよいサービスにつなげたりします。ひとえに「お金に困っている」という相談でも、よくお話を聞くと、「給料が少なくて」「医療費がかかって」「学費が必要で」と一人ひとり事情は異なります。背景に隠れている問題の本質は何なのか、相談支援を通じて理解を深めています。その他に、「台東区地域福祉活動計画」の策定業務を兼務しています。区民へのアンケート調査や関係機関へのヒアリング調査を実施。結果を踏まえて福祉の観点から地域の「目指すべき姿」や「活動目標」の発信を目指しています。
台東区は、東京都23区の中で最も面積が小さいにも関わらず、観光地や歴史的な木造住宅の地域がある一方、「ドヤ街」と呼ばれるような簡易宿泊所が多くある地域もあり、非常に多様な顔を持つ場所です。その地域ならではの相談内容や地域課題に対応しながら働けることに、深いやりがいを感じています。人と関わることが好きだからこそ、相手の立場に立って物事を考えることを大切にして支援しています。
多様化する福祉のニーズに対応するために、学び続ける。
特別養護老人ホームやデイサービス、障害者支援施設などさまざまな福祉現場で実習を経験したことは、今の仕事に役立ったと感じています。実践的な知識が身に付くとともに、多様な社会資源の実情を把握できました。相談者のニーズに合わせて最適な支援を提供する際に、当時の知見が活かされていると思います。
今後の目標は介護保険のスペシャリストであるケアマネジャーの資格を取得することです。地域で暮らす人々にとってケアマネジャーの果たす役割は非常に大きいと感じ、尊敬の念を抱いています。介護保険制度や地域生活支援の理解を深めながら、勉強を続けています。さらに、社会福祉士として、社会をより良くするために学び続けることが求められます。ヤングケアラーやダブルケアが話題になるなど、社会や時代は変化します。それに対応するためにも、知識を常に更新し続ける姿勢を大事にしていきたいです。

※掲載内容は取材当時のものです。